cotoriが生まれた理由

札幌でママ向けのレンタル&コワーキングスペース「cotori」を運営している私ですが、
この場所の構想は、実は突然思いついたわけではありません。
体調を崩し、心もボロボロで人前でお話しができなくなったあの頃。cotoriのことは、まだ頭のどこにもありませんでした。
「このまま年を重ねるのは不安」
「でも、何かを始めたい」
そんなふうに感じていた私が、偶然出会ったのが「ブログ」でした。
楽しそう、やってみたい。直感に近い感情で始めたその世界で、
私は少しずつ言葉を取り戻していきました。
言葉にすることで、自分が何を感じていたのか、何を大切にしたいのかに気づくようになりました。
そして、X(旧Twitter)を通してできた仲間たちが、私にたくさんの「大丈夫」をくれました。
cotoriは、そんな積み重ねの先に生まれました。
「誰かに認めてもらう」ではなく、「自分が自分を受け入れる」こと。
それがどれほど難しく、でもどれほど大切かを、私はブログを通じて知りました。
頑張っている自分も、落ち込んでいる自分も、
「どっちも私なんだな」と思えるような、そんな場を作りたかったのです。
ことりが歩んできた道のり
私は、子どもの頃からとても人見知りで、自分に自信がありませんでした。
親から褒められた記憶もあまりなく、
「どうしてできないの?」と責められることのほうが多かったように思います。
自分はダメなんだと、どんどん思い込むようになっていました。
転勤族の家庭だったこともあり、
長く付き合える友達はできにくくて、
その場限りの関係をうまくこなすことばかりが上手になっていきました。
「人とうまくやってるように見えるね」と言われても、
本当の私はいつも孤独でした。
進学で親元を離れたあたりから、
私は少しずつ「自分を変えよう」と努力し始めました。
勉強もおしゃれも頑張って、
「明るくて前向きな人」に見えるように振る舞いました。
そのうち、「行動力があるね」とか「楽天的だね」と言われることも増えて、
私はそれを“本当の姿”だと信じ込もうとしていました。
でも、心のどこかで、ずっと違和感がありました。
無理してるかも、演じてるだけかも・・・でも認めたくない。
頑張ってやっと人並み、努力していないと認めてもらえない、楽しんでるように見せなくちゃ・・・
そんな不安を、ずっと心の奥に押し込めて生きてきたように思います。
だからこそ今、私は声を大にして伝えたいんです。
完璧じゃなくていい。
どんな自分でも、「それでいいじゃん」って、まず自分が思えることが一番大切。
cotoriに込めた想いとビジョン
cotoriは、単なるレンタルスペースやコワーキングスペースではありません。
この場所に込めたのは、私自身がかつて「こんな場所があったらよかった」と願った心の居場所そのものです。
子育てと家事と仕事に追われ、
「今日もちゃんとできなかった」と落ち込む夜。
頑張っても報われないと感じたり、
「私ってダメかも」と自分を責めてしまったり。
そんな日々の中で、ひととき立ち止まり、
「今の私でもいいんだ」と思える場所が、cotoriです。
ここでは、誰かに評価されるためでも、成果を出すためでもなく、
自分を整えることを大切にしてほしい。
“何者かにならなきゃ”と焦らなくても、すでにあなたはちゃんと存在していて、価値がある。
そのことに気づけるような、小さな安心がcotoriの空気には流れています。
cotoriは、私ことりの体験と想いから生まれました。
誰かに寄りかかるのではなく、
自分の中にある力に気づいてもらえるような場所にしたい。
それが、私のビジョンです。
「できない自分」も「疲れている自分」も、
「まだスタート地点にいる自分」も、全部まるっとそのままでいい。
cotoriは、そんなふうに“自分を受け入れる勇気”を育てる秘密基地でありたいと願っています。
cotoriはこんな場所です
cotoriは、札幌にあるママのためのレンタル&コワーキングスペースです。
でも、それだけじゃありません。
cotoriは、「何かをする場所」であると同時に、「何もしなくていい場所」でもあるんです。
家では家事や育児に追われて、カフェに行ってもなんとなく落ち着かない。
そんなとき、ほんの少しだけ自分を取り戻せる場所がcotoriです。
静かに仕事をしたり、本を読んだり、おしゃべりをしたり、
ぼーっとするだけの日があってもいい。
cotoriでは、どんな時間の使い方も、ちゃんと意味があるものとして受け止められます。
「ここに来たら、深呼吸できる」「なんだか心が軽くなる」
そんなふうに感じてもらえるように、
内装はできる限りDIYで温かみを出しました。
ロゴや写真、アートも、
仲間たちがそれぞれの想いを込めて届けてくれたものばかり。
cotoriの空気には、仲間の応援や優しさがぎゅっと詰まっています。
ここは、頑張っているママが安心して力を抜ける、ちょっとした“秘密基地”。
初めての方でも大丈夫。
緊張しても構いません。
まずは、ふらっと覗いてみる感覚で、cotoriの空気を味わってみてください。
こんなママに来てほしい
cotoriは、何かを始めたいけれど、自信がなくて動けないでいるママにこそ来てほしい場所です。
資格があるわけでもないし、特技があるわけでもない。
家事と育児で一日が終わって、
自分の時間なんてほとんどない。
それでも、心のどこかで
「このままじゃない何か」を感じている。
そんなふうに思っていたのは、まさに私自身です。
だからこそ、cotoriにはハードルを感じずに、
気軽に足を踏み入れてもらいたいと思っています。
「ちょっと覗いてみようかな」
そんな気持ちでふらりと来てもらえるだけで、十分なんです。
誰かと話したくなる日もあれば、
黙っていたい日もありますよね。
cotoriでは、どんなあなたも歓迎です。
明るく元気じゃなくてもいいし、
何かができなくても、何もしてなくても大丈夫。
私は「今のままのあなた」にちゃんと価値があると、心から信じています。
そして、あなたにも信じて欲しい。
cotoriがその気づきのきっかけになれたら、
それが私にとって一番の喜びです。
cotoriを“秘密基地”にする理由
私は、「cotoriはどんな場所をめざしてるの?」と聞かれたとき、いつもこう答えています。
「ママの“秘密基地”みたいな場所です」と。
この言葉にたどり着くまで、
本当にたくさん悩みました。
なんて呼べば、cotoriの空気や想いが伝わるんだろう?
一生懸命考えて、最後に浮かんだのが「秘密基地」でした。
子どもの頃、誰にも邪魔されないお気に入りの場所ってありましたよね。
段ボールで作った隠れ家、押し入れの中、こっそりお菓子を持ち込んだ静かな場所。
そこでは、誰に見張られることもなく、好きな自分でいられた。
cotoriは、そんな気持ちをもう一度、大人のママたちに味わってほしいと思ってつくりました。
社会の中で、家庭の中で、たくさんの役割を背負っているママたち。
でも、cotoriにいるときだけは、全部降ろしてかまいません。
がんばらなくていい、気を張らなくていい、弱音を吐いてもいい。
そんな場所が「秘密基地」なんです。
cotoriは、何かを生み出す場所でもあります。
けれど、それ以上に「戻ってこられる場所」でありたいと願っています。
あの頃のように、ドキドキしながら扉を開けて、ホッとする。
そんな“ママの秘密基地”を、cotoriは目指しています。
わたし自身がcotoriの証です



正直に言うと、私はとても器用なタイプではありません。
計算を間違えることもあるし、左右違う靴で出かけてしまうこともあります。
お弁当だって、誰にも見られなければテキトーです。
人と話すのが好きなのに人見知りで、
一人の時間が大切なのに誰かに気にかけてもらいたくて、
思い立ったらすぐ動いて、あとから後悔することもたくさん。
でも、そんな自分を少しずつ
「それでいいじゃん」と思えるようになってきました。
完璧じゃない。だけど、毎日をちゃんと生きてる。
cotoriは、そんな私がつくった場所だからこそ、
同じように揺れながら頑張る人のことを受け止められると信じています。
cotoriがどんな場所で、どんな雰囲気か・・・
もしそう聞かれたら、私はこう答えます。
「わたしを見てもらえたら、きっとcotoriがわかります」
私がcotoriの証です。
そして、この場所が、誰かにとっての“自分を取り戻すきっかけ”になれたら、
それ以上に嬉しいことはありません。